新しいガラスを溶かす(溶解テストまとめ)

ガラス

 

みなさんこんにちは。ビジュアル系ガラス作家の高木基栄です。

 

 

作品を制作中ではあるものの、今回はちょっと寄り道。

いつも使っているものとは違う、新しいガラスが手に入ったので、どんなもんかと思い試しに溶かしてみました◎

 

 

 

今回溶かすガラスはこれっ✨

見た目はなかなかキレイな透明で、画像ではわからないですが、ほんのちょっと黄色がかっている気がします。(ものによって違いますが、ガラスはホントにうっすらと緑がかっていたり、グレーがかっていたりします)

 

 

さっそく溶かすっ!!

お試しで溶かすのでいきなり大量に溶かすのはキケンので、今回使う坩堝(るつぼ)はこんなカンジのミニサイズ。

これでちょっとだけ溶かしてみてガラスを触ってみます。

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↓本番では下記事の最後の方に出てくる、100kgとか溶かせる大きなサイズの坩堝を使います。(今回はテストなのでほんのちょっとだけ溶かします)

夏の汗まみれガラス工房メンテナンス記
(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({}); こんにちは。ビジュアル系ガラス作家の高木基栄です。 もう世間ではお盆休みも終わり、また暑い夏と格闘しながらの毎日です

 

坩堝は焼き物でできていて、この中にガラスを入れていくんですが、本来ならこの坩堝の材質も1000℃を超える高温の中でも長時間使える丈夫なものにするのですが、今回は数時間だけ溶かす簡易的なものなので、陶芸作家さんに頼んで作ってもらった普通の食器に使う土でできた坩堝でかまいません。

 

一回きりのテストでの使用なら多分100均で売ってるラーメンどんぶりとかでも数kgのガラスなら溶かせると思います◎

 

 

まずはガラスを溶かすためにあっためる

いきなり強い炎でガンガン温度を上げてしまうと、急激な温度変化に坩堝が耐えきれずにパッカーンと割れてしまうので、ここは慎重にゆっくり温度を上げていきます。

 

今回はあくまでテストなので溶解炉を使わずに、グローリーホールという吹きガラスの作業中に冷めたガラスを温める設備を使って、擬似溶解炉みたいな状態にしていきます。

 

 

グローリーホールに坩堝をセット◎

↑白いのはブランケットという、ものすごい高温でも燃えない毛布みたいなやつ。

これで坩堝をくるんでやって、直接炎が当たらないようにゆっくりあたためていきます。

(素手で触ると1日ずーっとチクチクしてて絶対身体によくない繊維でできてるので取扱の際は防塵マスクをつけて慎重に)

 

 

 

で、高温だとこんなカンジに。

※1000℃超えてくるとオレンジ色に発行して写真だとただのオレンジの光になっちゃうので、これはテストが終わって少し温度が下がってきた状態でとった画像

(坩堝の底に残ったガラスの温度が高いのでちょっとオレンジに発光してます)

 

 

で、試しに吹いたガラスはこんなカンジ

 

今回はテストということで、短時間で溶かしたガラスなので泡が抜けきれず、泡だらけのガラスになりましたが、これはこれで民芸っぽくいい味出してます◎(普段使っているガラスは5時間半最高温度をキープしているので泡はほとんど抜けます。)

作風と合うならばキレイに泡を抜かずに、あえて泡が入っているガラスにするのもありですね(*^^*)

 

このガラスで作業してみた感触なんかはあまりに抽象的すぎて文字にするのは難しいですが、感想としてはなかなかイイです◎

自分で溶解炉を持つ日がきたら選択肢に入れてもいいかなと思えるほどキレイだし。

 

 

 

今回のテストを終えて思ったけど、100均のグラスとかもモノはキレイだし、溶かしてみたらけっこう面白いのかもしれない。。。

(1kgあたりの単価を計算したらそっちの方が経済的なのかも)

 

 

たまには同じガラスを触るのでも、作品制作からは一歩離れて材料のリサーチをする というのも面白くていいですね。

同じ方法でガラスを溶かして、試したい金属を混ぜれば少量のお試し色ガラスもできる!

一言でガラスといっても、同じガラスでもいざ触ってみると、ここまで性質が違うのか。。。(実際に触ってる人間にしかわからないですが^^;)

 

 

ガラスってホントに奥が深いので、見れば見るほど、触れば触るほど、向き合えば向き合うほど新しいネタが出てくるのでこれからも長〜い付き合いになりそうです。

 

おしまいっ

 

 

【おまけ】

ちなみに使い終わったミニ坩堝はこんなカンジに底にガラスが溜まって透明の釉薬みたいになってました。金魚とか一匹だけ飼うのとかに良さそう(これイイね!って言って上司が持って帰りました笑)

 

火を消して冷ます時は特に注意せずに放置してたので、温度が急に下がったせいか、坩堝の側面にはちょっとヒビが。。。

※基本的に坩堝の使用は一回きりなので、温度の下げ方にはあまり気にしません

 

おまけおしまいっ

コメント

  1. 深辺 英 より:

    はじめまして。陶器をやっているものです。ガラスについてお聞きします!私は磁土を扱っているのですが、器の底などにガラスを溶かし入れたような作品が作りたいのですが、ガラスは陶器に割り入れて窯に入れて大丈夫だと思いますか?
    釉薬をかけて焼くのが800℃くらいとして、そのタイミングで一緒に入れるといけるかなぁ…と考えていたところ、ブログを拝見し、思いきって( ・ω・)∩シツモーン!すみません。分かる範囲で、教えて下さるととても助かります。宜しくお願いします。

    • motohide より:

      コメントどうもありがとうございます!
      恐らく大丈夫だと思います◎  が、ガラスを入れるタイミングとしては素焼き後、本焼きの際に窯入れ時からガラスは入れておいた方がいいのではないでしょうか??

      と、いうのも、800℃の窯の中に突然ガラスを入れると、急激な温度差によってガラスが爆ぜ、器や窯の内部を傷める可能性が多いにあるので、初めから器にガラスを入れた状態で昇温した方がいいと個人的には思います。
      あとはトライしていただいて無事イイ作品が焼きあがるようお祈りしております◎