みなさんこんにちは。
ビジュアル系ガラス作家の高木基栄です。
おかねのはなし
突然ですが、みなさんお金は好きですか??
まあ嫌いな人はいないと思います。生きていく上で必須のものですしね。
作家をしているとよく【売れる(売れそうな)作品を作る】と【売れなくてもいいからいいから良い作品を作る】みたいな話にしばしばぶち当たります。いえ、よくブチ当たります。
ある人は〈作る事だけではなく、売るためには〉ということも考えないとダメ。と言い、
ある人は〈売れるとかいうことを考えながら作品を作っちゃダメ。やりたい事を突き詰めて〉なんて言ったりして。で、その話が出る度にその間で振り回されます。
こういう話が出ると「うーん、どっちも言いたいことはわかるしどっちも正しいよな~」としばらく考えさせられたあと、「え??でもけっこう余計なお世話じゃね??」と思ったりします。
正直な話、この手の話を突きつけてくる人はほぼ間違いなくボクの作品を持ってないのです。
大きい小さいに関わらず、作品を持ってくれている人は不思議と大体の人は両方大事だよ と言ってくれます。
ちょっとだけ話がそれますが、ギャラリー界隈にはいくつかの有害指定部族が生息していて、その中の代表格【お金出さずに口だけ出す族】に久々に遭遇したのが今回の投稿を書くキッカケでした。(久々にブログ書くためにWordPress立ち上げたよ。ありがとう!)
ちなみに他には、【女性作家をキャバ嬢扱いする族】【自分の趣味レベル作品披露してくる族】【もはや作品とは関係ない自慢大会主催族】などが生息していて、中にはその混血部族も生息しています。(個人的に一番嫌いなのは知り合いなんだから安く(タダで)やってよ族)いつか図鑑を作ってみましょうか。
話を戻しましょう。
実はもうボク個人の結論はちょっと前に出ちゃってるんですが、【売れる(売れそうな)作品を作る】と【売れなくてもいいからいいから良い作品を作る】、両方大事でいいじゃない。
問題は作品の対価としてお金を得た後、「そのお金を何に使うか」が問題なわけです。
いや、そもそも人の懐に入ったお金のことを何故他人に口出しされなければいけないのかも謎です。何に使っても良いじゃない。
これは日本人あるあるだと思うんですが、「日本人、稼いでる人の事まあまあ嫌い」みたいなのがあります。とにかく人が稼いでいるということ自体が嫌い。
学生時代の「テスト勉強バッチリしてるやつ嫌い」の大人版みたいなもんでしょうか。
作家はお金を手にしちゃダメなのか
日々お金を使って生活しているのにも関わらず、何故かお金の話になると「お金の話=汚い」というイメージでなんか煙たがられます。
そしてアーティスト・作家になると何故か更に輪をかけて清浄無垢さが求められます。
アイドルはうんこしない にもちょっと似てますね。
おそらくその人たちにとって、作家やアイドルには然るべき生き方みたいなイメージがあって、そのイメージ通りに振る舞わない作家やアイドルは嫌いなのでしょう。
基本的に作家も人間なのでお金は欲しいです。
なので作品は売れるに越した事は無いですし、少しでも「売れやすい」というところを着地点の一要素として作品に盛り込んでも良いと思います。
作家はその作品が売れたお金で「アトリエ付きの家に住めるなぁ」とか「これで新しい機材や材料買えるなぁ」など、その稼いだお金は生活費を除くと更に制作に注ぎ込む人がほとんどです。基本的にはバカみたいに真面目なんですよ作家って。
そのお金の使い道を聞いても尚、【売れなくてもいいからいいから良い作品を作る】事だけを勧めてきますか? って話なんです。
よくよく考えてみると、そもそも【売れる(売れそうな)作品を作る】と【売れなくてもいいからいいから良い作品を作る】という事についてあれこれ話をすること自体が間違いなのかもしれません。
どうも作家は死んでから作品の価値が上がる という作家=生涯貧乏なイメージと、◯◯の作品が数億円で落札!と言った金額でしかその尺度を測れないメディアの報道のせいで、作家はドカンと売れるとダメらしい。
それもこれもみんなゴッホしか知らないのと、視聴率を取ることが仕事のテレビマンの仕事が炸裂した結果で、それが頭の中にしっかり刷り込まれた結果だと思っています。
そもそも、【お金とは何なのか】という事から勉強していかないとこの問題は解決に向かっていかないっぽいですね。
この問題が解決するまでは作家というものを仕事にするのはなかなか日本という国では難しそうです。
最近は作家を仕事にすると色々息苦しそうなので、作家は【仕事ではなく】て【生き方】なんじゃないかと思うようになりました。
かねてからボクは制作は呼吸みたいなもので、制作はしたいと思うものでは無く、しないと辛いもの(誰も酸素吸いたい!と思って呼吸する人はいないよね?ボクにとっては制作しないという事は息を止めている事と同じでだんだん苦しくなって息を吸いたくなってきます)と思っていたので、制作は【仕事】ではなくて【生きる】ということになるとなかなかすんなりと腑に落ちます。
だんだん話がそれてきた上に終わりが見えてこないので、今回はこの辺で終わりにしようと思いますが、年々制作のことよりも制作の周りのことの方に勉強のリソースを割かないといけなくなってきたなぁ と思います。
おしまいっ
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