ジャンルについて

日々の制作

みなさんこんにちは。
ビジュアル系ガラス作家の高木基栄です。

 

超久々にブログを書いてみたくなったので久々の投稿です。
2019年も3分の1終わっちゃってますが年度が変わったということで色々書けそうな気がしてきたのでブログ書きも制作のうちと思って色々書けたらと思います。

 

学校を卒業して、ありがたいことに今現在も制作を続けられて、こんなボクですが時には後輩から作品や制作について質問されたりアドバイスを求められるようにもなりました。
その質問に対する回答をする前にコチラから必ず最初に聞く質問があります。

その質問というのは「自分をカテゴライズするとしたらどのジャンルに入る?」です。

 

今回はそんな「ジャンル」についてのお話です。

ジャンル

「自分をカテゴライズするとしたらどのジャンルに入る?」

 

この質問をする理由は、<相手がどの視点からの回答やアドバイスを求めているかわからないとコチラも適切な返しができない>&<下手に目の前の作品についての説明をされるよりも求めている答えが明確にわかるから>です。

 

学生時代、作品の講評会で「もっと自由に」とか中には「情熱が足りない」というコッチからしたらなんとも返答に困る、全くもって求めていない言葉の数々をもらった経験から、勇気を振り絞って質問してくれた後輩に対して少しでもその勇気に酬いる言葉がかけてあげられたらな という思いもあります。

 

だいたい半数以上の人が「いや、ジャンルとかは別に興味ないです」とか「そうやって何かで括るのって可能性が狭まりませんか?」なんてジャンルで分ける事に対しての拒否反応を示すか、自分がどのジャンルに属するかなんて考えたこともなかった というリアクションをとります。

そんな拒否反応を示す子達にいつも聞くのが、「自分のジャンルがわからないと自分のどこを売りにすればいいのかわからなくない?」と言う事です。

ジャンル=スポーツの種目 じゃない?

よくその時の例えとして話すのが、ボクたちは何かしらのスポーツの選手で、ギャラリーはそのクラブチーム、そしてジャンルはスポーツの種目だよ という話。

まず自分のやっているスポーツの種目(=ジャンル)がわからなければ、そのためのトレーニングもできなければ、クラブチーム(=ギャラリー)を探すこともそこで仕事をすることもできませんよ ということ。

 

実は第三者から見たら野球選手なのに、思いっきりサッカーのドリブルの練習やサッカーのスリーポイントシュートの練習をしても力にはならなくない?
それで「ジャンルで括るのって可能性が狭まりませんか?」と言われて「自分、オールラウンドプレイヤーなんでいろんな種目のスポーツで活躍したいんです」と言われてもなかなか難しいよなぁと思うわけです。

 

小・中学校の部活動なら運動神経のイイ子がいくつかの部活動を助っ人するのもアリかもしれません。
ただ、今ボクたちが勝負したいのはその先の世界です。
運動神経という先天性の才能だけでなんとかなるレベルではなくて、専門的なトレーニングは必要不可欠です。
大谷翔平選手の二刀流はとても凄いことですが、それでも「野球」という1つのスポーツの中でのみの事。
なので、「今アナタのやろうとしている事は、野球選手とサッカー選手を兼業しながらもどちらも一流として結果を残したい という超ムリゲーに挑もうとしているという事よ〜」 ということを言いたいのです。
しかもこれは最悪の場合ですが、ジャンルに拘らないと言っている人に限って、ジャンル毎にルールが存在することも知らない ということがありがちです。

なので、ここで「じゃあジャンルに関係なく思ったことをアドバイスするね」と思いつく限りのアドバイスをしたとして、それを全て取り込んだとしたら全く必要のない筋トレをする羽目になり、役に立たないどころか下手をしたら逆効果な場合もあります。

そんなことを防ぐためにもジャンルはきちんと分けて、自分はどこのジャンルで活動しているのか、その中でどのポジションを目指すのか ということを決める事はとても大事な事だと思います。

ジャンルの分け方

では、ジャンルの分け方についてはどうしたらイイの?という話になりそうですが、そこはもう「勉強する」の一言に尽きます。

いきなり勉強と言ってもやり方がわからないかもしれないので、まずは自分の好きなものを集めてみるのがイイかもしれません。
それも1つ2つではなくできるだけ沢山です。一見何の共通点も無いものも数が増えれば増えるだけその共通点を見出すことが簡単になってきます。

よく学生が学校の課題で好きな作家や作品を10や100集めろ なんて課題が出されるのはおそらく自分のジャンルの判別をするという意図があるんじゃないかなと思います。

もっとも、学校では「じゃあアナタのジャンルはこれだね」なんて判別もしてくれませんが、学生一人一人にジャンル毎適性診断みたいなものをやってあげれば、学校卒業後に制作活動をやめてしまう人を一人でも減らせるかもしれないかもなあ などと思ったりもします。

10や100の好きなものを集めるためにはおそらくその何倍ものモノを一度インプットしなければいけません。
その中で<好き>か<好きじゃない>かふるい分けられるわけですが、そのふるい分けらるフィルターこそがその人の趣向や個性と呼ばれるものだと思っています。
時々、自分には個性がない なんて悩んでいる人がいたりしますが、それは圧倒的にインプット不足で、もっとインプットの量を増やして意識的にふるい分けをすることで色々と見えてくるものがあると思います。 

 

先輩後輩に限らずジャンル迷子になっている人はいて、感覚で物事を進めていくタイプの人は特に迷子になりやすいんじゃないかな なんて個人的に思っていますが、全てを感覚で決めてしまうと迷子になりやすいので、ちゃんと自分のジャンルを見極めておくとそれがコンパスになってくれるので道がわかりやすいですし、道が分かっているという事はジャンルを股に掛けるということも可能になってきます。

意外とジャンル分けも悪くないよ

という事で、<自分のジャンルを決める>という事は自分の道しるべになるだけではなく、可能性を広げる手助けにもなるんじゃないかなぁ なんて個人的には思うので、オススメです。

これはボクが作家なので、作家目線の話になりますが、意外と他の業種の人でも言える事なんじゃないかなぁと思っています。

これは決して謙遜などではなく本当に思っている事ですが、ボクは作家として才能に恵まれている方ではないですが、今こうやって作家の端くれとして制作活動が続けられているのは、ボクに少しだけジャンル分けをする(≒分析する)力があったからじゃないかなぁ と思います。
これも強者(才能ある人)としてではなく弱者(才能の無い人)の闘い方でボクに合っているとのだと思っています。
「ジャンルなんて関係ない!」と言う前に一度ジャンル毎に分けて考えてみるのも悪くないかもよ と言うお話でした。

おしまいっ

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