こんにちは。ビジュアル系ガラス作家の高木基栄です。
突然ですが、バンドTシャツっていいですよね 憧れる。
ファン同士一丸となれるユニフォームみたいだし、そのバンドのもう一人のメンバーみたいなカンジもするし、ライブのスタッフなんかも同じTシャツ着てたりしてなんか一体感あるし。
個人的にはライブのアンコールで一旦捌けたバンドメンバー達がそのライブツアーのTシャツに着替えてちょっとラフなカンジでぞろぞろと出てくる みたいなのが見ててイイな〜と思います。
で、バンドTがあるなら作家Tもあったっていいし、何より欲しい。
普段制作する時に着てるのはだいたい汚れたり焦げたりしてもいい、すぐ捨てられる服(=普段着として着るにはヨレちゃったTシャツとか)が多いのでいまいち見た目的にシャンしない。。。
シェフが必ずコックコートを着るように、看護師さんが白衣を着るように、ボクも制作するときは必ず着るユニフォームがほしい。
何着か用意しておけば制作する日は服を選ぶ手間も省けるし、お客さんが着た際には「このTシャツも作ったんですよ〜」なんて話のキッカケにもなる
そんな一石三鳥のTシャツが欲しい。。。
よし、作ろう。
ということで、作家Tシャツ制作へ。
憧れの作家Tシャツを制作するための色々な設備が借りられる金沢湯涌創作の森へ。
今回お世話になったシルクスクリーンの版を作ったりするための工房
めちゃくちゃ雰囲気のある建物だな〜と思ってたら登録有形文化財でした。
そんないいカンジの建物の中にはTシャツくんのめっちゃスゴイ版の機材がいっぱい。
ここではスタッフさんが手取り足取り制作行程を教えてくれるので、ガラス以外は全くわからないボクでもスムーズにシルクスクリーンの版が制作できました。
今回制作した版の制作工程紹介
①図案の準備
→ これがなくては始まらない、どんなTシャツにするかの図案。せっかくなら作品に関係ある図案にしたいと思ったので今回は自分の作品の表面装飾に使っているパターンをTシャツにも入れる事に。
これでTシャツを見た人に「これ作品をモチーフにして作ったTシャツなんですよ〜」と話のキッカケがひとつ増えます◎
↑この作品の表面に入れている模様をモチーフに、パソコンで事前にデータを制作→プリントアウトしておいたものを今回工房に持って行きました。
②版の枠に網目状の布を貼る
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↑の画像は網目状の布をピーンと張ってくれる機械。
いきなり名前のわからない専門器具が出てきて、シルクスクリーンの版の枠に布を貼っていく作業スタート
エアーコンプレッサーが繋がれてて、プシューとか音を出しながら自動で布を張ってくれるので、枠の周りに専用の接着剤を塗って接着。
この接着剤が乾くのに1時間半待ち。果報は寝て待つ。
③模様として作った型紙の準備
接着剤が乾くのを待っている間に、プリントアウトした型紙に黒い点やインクの滲みがあると後々出来に影響するので砂消しで紙の表面ごと削ったり、範囲が広い場合はカッターで切り抜きます。
キレイにした型紙全体にサラダ油を塗っていきます。
サラダ油を塗る事で普通の印刷用紙の白い部分は半透明に◎
④貼り終えた網目状の布に乳剤を塗る
接着剤が固まった後は、枠に張った布に紫外線で固まる特殊な乳剤を網目状の布に塗っていきます。
これで網目状だった布の目を全部埋めます。
※写真が黄色いのは、この乳剤が紫外線厳禁なので、部屋が特殊な明かりで照らされていたため
乳剤を塗ったらでっかい冷蔵庫みたいな中で乾燥させます。
中は40℃位でかなり暖かい♨️
⑤露光器に型紙と枠をセット
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下からスゴく強い紫外線が出てくる機械にセットして乳剤に紫外線を当てていきます
型紙の黒い部分だけ紫外線が通らないので乳剤は固まりません。さっきサラダ油を塗って紙の白い部分を半透明にしたのは紫外線が通りやすくするための下処理でした。
⑥版を洗って固まってない乳剤を洗い流す
↑紫外線が当たらずに固まらなかった乳剤を洗い流すと型紙通りに網目が抜けてます
最終的にこの網目をインクが抜けてTシャツの模様になります◎
⑦水分を乾かしたら版の完成◎
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水分が乾いたら、乳剤が固まって埋まっているところにピンホールが空いていないかをチェック。
※ここでピンホールが空いていると、インクがその穴からも出てしまうので、余計な点がTシャツについてしまうことになるので念入りにチェックします。
今回はピンホールもなく無事シルクスクリーンの版が完成〜っ!!
あとは無地のTシャツと印刷に使うインクを準備したらいよいよTシャツの制作。。。
何色を作ろうかワクワクしながら思案してます(*^^*)
念願の作家Tシャツまで後一歩。。。
つづくっ
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