こんにちは。ビジュアル系ガラス作家の高木基栄です。
ボクは日々ガラスを吹いたり削ったりして作品を作っていて、その制作工程を説明する機会っていうのは多々あるんですが、ガラスの溶かし方って意外と話す機会ってなくって。
で、めちゃめちゃニッチな話なんですが、今回はあんまり知られていないガラスの溶かし方のお話でもしようかなと思います。
そもそもガラスってどうやって溶かすのか
ガラスを溶かす溶解炉の種類にもよりますが、ボクの使っている工房の溶解炉は電気で温度を上げてガラスを溶かしてます。
暖房器具にもガスだったり灯油だったり電気だったりといろいろ種類がありますが、それの超高温版だと思ってもらえたらいいです◎
こんなカンジで24時間1000℃以上をキープしています(この写真をとったときは1290℃!!)
この1000℃を超える高温の中にガラスの塊を入れていきます。
使っている原料はこんなカンジ。もうこのままでも水晶みたいで十分キレイです。
溶かすだけで終わりじゃない
この原料を溶かせば一応ドロドロのガラスにはなるので作品は作れるんですけどね。
ガラスが減ったら足し〜減ったら足し〜を繰り返していくと、新しく溶かしたガラスは表面にきますが、もともと溶解炉の中に溶けてる古いガラスはどんどん下にいっちゃいます。
ガラスをキレイにするために一番必要なのは溶けたガラスを均一になるように混ぜること。
って言っても1290℃で溶けているガラスを混ぜることなんて容易なことではありません。
そこで、溶けたガラスに対してある野菜を使ってガラスを混ぜます!
そのある野菜とは。。。。。
「大根!!」
大根を使ってどうやってガラスを混ぜるのか??
大根を使ってガラスを混ぜると聞いて、誰もが「どうやって!?」と思うはず。
ボクもそんなカンジでした。
どうやって大根を使ってガラスを混ぜるかというと
こんなカンジに輪切りにした大根を鉄の棒に刺して、真っ赤に溶けたガラスの中に突っ込みます。
そうすると大根から水分が一気に蒸発して、中のガラスがマグマみたいにボコボコと音を立てて泡立ちます。
こんなカンジに。
下の方にあるガラスを泡が上に上がる浮力を利用して一緒にかき混ぜるという、もう最初に考えた人スゴイな!!っていう。
この作業をバブリングっていいます。ガラスをキレイに溶かすためにはホントに重要な作業。
ボクらの制作は裏で大根という万能野菜に支えられてるんだよ っていうあまり知られてない話でした。
じゃあ、そろそろ大根使ってガラス混ぜてきますっ!
おしまいっ
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