「気の持ちよう」ってすごいんだなぁ という話。

高木基栄 ガラス着色 その他

うっひょーーー時間がない、急げーーーー

と、気持ちは焦ってはいるものの、扱う素材がガラスだけに作業は一手一手慎重かつ、丁寧に。

「あわてないあわてない。ひとやすみひとやすみ。」 と気持ちばかりが

焦る自分に言い聞かせます。

 

一休さん©一休さん

 

アートフェア東京の搬入まであと3日。作品はまだ完成せず。ですがかといって接着箇所が安定するまでは焦ってはいけないのでどっしりと構えて待つ度胸も必要。。。

いつも制作の追い込みどきには、自分という人間を試されている気がします。

 

今の制作状況はこんなカンジです。

高木基栄 作品制作過程

 

ガムテープが貼ってあるのはパーツがずり落ちたりしないように固定するため。
最低1日はこのまま安静に放置します。

 

特に今までサボっていたわけではないですが、やっぱり性格上の問題か〆切近くにならないと本気の本気は出ないみたいです。。。

子供の頃、夏休みの宿題も7月はのんびりやって、8月の後半にペースを上げて仕上げるタイプでしたので、三つ子の魂百までっていうのはホントですね。。。

 

 

この不思議なカンジの色は何??

と、作品を見た方からよく質問をいただきます。

ボクは基本的には吹きガラスで吹いたものをサンドブラスト(高圧力で研磨剤を吹き付ける機械)で、すりガラス状に加工したものにガラス用の絵具を刷り込んで着色しています。

 

高木基栄 制作工程

こんなカンジに吹いたガラスの出っ張りを削って。。。

 

高木基栄 制作工程

こんなカンジにツルッと球体に仕上げたあと、研磨剤を吹き付けると。。。

 

高木基栄 制作工程

こんなカンジのすりガラスに。

透明の時にはなかった質量がぐっと出てきますね。
そこにさらに絵具を刷り込んで、余計な絵具を拭き取ってやると。。。

 

高木基栄 ガラス着色

 

左から右の順でビフォーアフター。

画像ではわかりにくいですが、絵具を刷り込んだあとの方が微妙に透け感が出ます。

よく、「色ガラスを使って吹いたものをすりガラスにしても同じじゃないの??」と言われますが、この微妙な差が似て非なるものなのです。

で、こうして出来上がったパーツを組み立てていくと先の画像のようになっていくわけですね。

 

 

こんなに追い込まれていても、別にイヤという訳じゃない

なぜかって、それは自分の好きなことをやっているから。

 

今日は3月11日。震災があってからもう6年になるらしい。
当時のことはよく覚えていて、テレビから流れてくるまるでCGのような、現実味がない映像を見ながら、立て続けに入ってくるニュースを聞いてようやく事の次第を理解したりして。

でも自分に特に何かできる訳でもなく、ただただ無力さを痛感したというか。
芸術に携わる人間ならだれしも同じような気持ちを抱いたのではないでしょうか。。。

 

そんな事があったということを思えば、「ひ〜作品が〜」なんて言っていられる今日の自分は幸せの極致にいるんだよな〜と感慨深くなります。

 

結局自分には何ができるのか

ということを改めて考え直すと、何もできないんですよね。悲しいくらいに。
ガラスしかやってこなかったからガラスしかできない。

ならばバカ正直にやれることを精一杯、感謝しながらやろう。

 

そう思うと、制作に追い込まれて眠かろうが、お金がなかろうがあまり苦ではなくなるんですね。

気の持ちようってすごく大事。

 

元日とか、年度の始まりって気持ちがリフレッシュする気がして、気を引き締め直すことがあるけど、ホントはこういう日に感謝しながら気を引き締める方が正しいのかなぁ とも思ったり。

 

何はともあれ残り3日、感謝しながらも全力で制作に励みます。あと確定申告もね!

いくら感謝してもこれだけは辛かった。。。
改めて去年の作家業の成績を数字で突きつけられると。。。。今年はもっと頑張ります。。。

 

そんなカンジで、今日も制作がんばります!!

おしまいっ

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